化粧品として販売していた製品が、急に毒劇物に指定されたら、びっくりしますよね。でも、本当にあった話しです。今年の7月1日に厚生労働省から「毒物及び劇物指定令の一部改正について 」という通知が出され、「グリコール酸」が3.6%を超えて配合される化粧品は、2016年11月1日以降、毒劇物指定となり、「毒物及び劇物取締法」の適応を受けることとなりました。
「グリコール酸」はフルーツ酸とも呼ばれ、ピーリング化粧品に配合されることがあります。一般的には多くても1%程度の配合になりますので、ほとんどの化粧品は影響を受けませんでした。しかし、高配合を謳って販売されていた商品は、その対象となり、リニューアルに追われて、大変だったと思います。
どうしてこんなことが、起こるのでしょうか。
高配合でも安全性が重要
科学的な根拠に基づいた正しい判断が必要
近年、加水分解コムギを配合した石鹸によるアレルギー発症や美白化粧品の使用による白斑発症の問題が発生し、安全性に関する評価を見直す動きが、活発化しています。とても重要で良い事だと思います。
しかし、そのような流れがある一方、化粧品業界では、「高配合」がもてはやされる傾向もあります。〇〇〇成分を最高濃度配合などの広告は良く目にすると思います。インパクトがありますので、商品企画の段階で、やりたくなる気持ちは良く判ります。
しかし、安全性をおろそかにすることは、絶対に許されませんので、高配合しても問題ない成分なのか、という判断が重要となってきます。実際、高配合なら、何でも良い効果が得られるというもでは有りません。科学的な根拠に基づいた正しい判断が必要です。やはりグリコール酸は高配合してはいけない成分だったと思います。
アメリカでも安全性の再評価が進んでいます。
今後利用できない化粧品原料も出てくるかも知れません。
現在、安全性の再評価は、アメリカ、欧州でも進んでおり、日本でも良く使用される化粧品原料の中にも、候補に上がっているものがあります。仮に、アメリカで規制されれば、日本も影響を受けることになります。
グローバル化の流れで、各国の規制が、貿易障壁にならないよう、世界的に規制を統一する動きがあります。
先日も、アメリカで「トリクロサン」という殺菌剤が使用禁止になると、直ちに、「トリクロサン」を使用した化粧品(主に石鹸)の販売を自主規制する動きが起きました。日本では薬用化粧品への使用が認められている成分でありますが、アメリカの決定を受けて、日本でも再検討が進められています。何れ、使用禁止になると予測されます。
今後は、世界の規制の動向にも注意を払っておかないと、突然に、自社商品が売れなくなるってことが、起こるかもしれません。
弊社では、安全情報の収集を、常時おこなっておりますので、関心のある方は、「お問い合せ」まで、ご連絡ください。
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